新潟県の燕三条地域は古くから金属加工の町として知られています。包丁や工具など、世界に誇るものづくりが生まれるこの地域には、今も多くの職人が活躍しています。その中でも 鎚起銅器(ついきどうき) は、燕市に根付く伝統工芸です。一枚の銅板を何千回も槌で叩き、少しずつ立体の形へと成形していくこの技法は、長い歴史の中で受け継がれてきました。そんな燕の伝統技術ですが、実は 三条市にもこの技術を受け継ぎ活動している職人がいます。その一人が 須佐真(すさ まこと)さんです。
須佐さんは、燕市にある鎚起銅器の老舗工房で修行を積み、その後独立しました。現在は 三条市に工房を構え、制作活動を続けています。地元に根付く伝統技術を継承しながらも、須佐さんはそこに自身の感性を加え、独自の表現を追求しています。その技術は高く評価され、大阪万博でも鎚起銅器の実演を行いました。平らな銅板が、職人の鎚によって少しずつ形を変えていく様子は、多くの人を魅了します。鎚起銅器の表面には 「鎚目(つちめ)」 と呼ばれる独特の模様があります。これは単なる装飾ではなく、職人が叩いた痕跡そのものです。一つ一つが唯一無二の表情を持っています。

さらに須佐さんは、伝統技術を守るだけでなく、独自の技術や加工方法も考案しています。金属の光や質感を活かした作品は、器でありながら彫刻のような存在感を放っています。滑らかな曲線、銅の柔らかな光、そして鎚が刻むリズム。須佐真さんの作品は、日常の道具でありながら、同時に金属から生まれるアートとも言えるでしょう。

また、KRaftでは須佐真さんによる鎚起銅器ワークショップも提供しています。実際に銅を叩き、自分の手で器を作る体験は、写真や映像では伝わらないものづくりの奥深さを感じさせてくれます。最初は思うように形が作れず難しく感じるかもしれませんが、完成したときには世界に一つだけの作品が手元に残ります。燕にルーツを持つ鎚起銅器の技術を、三条で体験できる貴重な機会です。ぜひKRaftのツアーに参加して、須佐真さんの鎚起銅器ワークショップを体験してみてください。



